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木の乾燥 ― 水中乾燥って?

2012.04.30 | Y社長のひとり言 | コメント:1 »

現在、材木を乾燥させる方法として広く普及して
いるのが、人工機械乾燥と天然自然乾燥です。
ほぼこの2種類の乾燥方法で材木が生産されて
います。これ以外は、ナマ材といういわゆる未乾燥材、
グリーン材と呼ばれるものだけです。

しかし、昔から伝わる乾燥技術として、もう1つ水中乾燥という
技法があります。その名の通り水につけて乾燥させるという
一見、逆の作業のような気がする乾燥方法です。

水中乾燥

水に沈めることによって、樹液成分が適度に抜け、より水分が抜けやすくなるという
木の性質に変化が起こります。水につける時間は6カ月から1年と言われていますが
伊勢神宮などの20年に1度の建て替え(式年遷宮)に使う材木などは
3年も丸太のまま、水につけているそうです。

水から上げて、丸太のまま立て掛けておくだけで、どんどん水分は抜けます。
実際、材料として使用できるところまで、木を落ち着かせるのに、また半年から
1年の歳月が必要になります。こうして一度水につけてから乾かすという、水中乾燥材は
適度な養分が残り、木質繊維が破壊されずに結合水を抜くことができ、
あとからの材木の割れや収縮がとても起こりにくいという特徴があります。

昔は山で丸太を使って筏を作り、川を下って材を運んでいました。
それはただ単に、物流ということだけではなく、水につけるという
乾燥技術を重ねた素晴らしい運搬方法だった訳です。
いまでも、大阪・南港には。プカプカ丸太が浮いてるところが
ありますよね。以前に比べると格段に少なくなっていますが。

水中乾燥が素晴らしい技術で、木にとっても、優しい、優れた乾燥方法で
あることは間違いありませんが、何せ時間が必要です。そして、池や
乾燥場という、たくさんの場所が必要になります。
水を含んだ丸太は通常の丸太の1.5倍程の重さになると言われて
います。とても人力では動かせないので、レッカー車などが必要になり
それらの車が横付けできる、ため池の確保は難しい問題です。
水質の問題などもあるようです。さすがにドブ川ではね(汗)

こうして、水中乾燥という技術は、市場ではほとんど使われることがなくなり
ましたが、なんとか、この昔から素晴らしい乾燥技術で家を作っていこうと
活動されているグループなどもあり、わたしも今後見直されるべき、重要な
日本の技術ではないのかなと思っています。

水中乾燥材で建てた家の構造見学会に参加させていただきましたが
本当に、大きな横架材にも割れがなく、モチモチした木肌が
すごく印象的でした。風呂上りのさっぱりした感じとでもいいましょうか(笑)

水中乾燥材

わたしも学び、ぜひチャレンジしてみたいと思っている乾燥技術です。

 

 

1 コメント to “木の乾燥 ― 水中乾燥って?”

  1. 飯島正明 より:

    はじめまして飯島と申します。
    今年家を建てる計画をしています。
    ひのきの香りがする家を建てたく思っています。
    聞きたい事があります。
    材木はみんな背割れが必要でしょうか。
    また背割れの無い材木はないでしょうか
    木に関してはわからないため教えていただきたく
    メールをしました。
    宜しくお願いします。

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