某メーカーの新作発表展示会で見かけた
新しいキッチンが目に留まりました。
いわゆるアイランドキッチンと言われる
独立型のシステムキッチンです。
キッチン背面はカウンターなどではなく、上吊り引戸の飾り棚風に仕上がっています。
手元が隠れるように高さも従来より10cmm以上高くなっていて
このままリビングの真ん中にあっても違和感がない感じです。
リビングの中心にキッチンを配置することで、料理をするお母さんとの
コミュニケーションを充実させることができるし、家族みんなが料理を
手伝い、みんなで食事を作りながら一家団欒なんて光景も浮かんできます。
人間は昔から火を守り、火の廻りに集まり、団らんを始めました。
火を操ることができる唯一の動物です。
それは、焚火から囲炉裏や火ばちに変わり、キッチンに進化しても
変わることのない人間の本能のように思います。
炎のゆらぎを見ると、なぜか心が落ち着いたり
無心になり、黙ってぼぉ~と火を見つめてしまうことありますよね。
これは、f分の1のゆらぎ という、人体の癒しの効果を与える自然の波動であり
なぜか、心が休まるという科学では解明されていない事実です。
火を囲むというは、人間学的にもすごく奥の深いことなんでしょうね。
キッチンメーカーがこんなアイランドキッチンを出してくるということは
いろんな国難にさらされている日本人が、家に癒しの空間を求めていると
考えて、新しいリビングの在り方を提案しようとしているのだと感じました。
それは、科学的根拠なんてものではなく、人間の五感を優先させた
理屈抜きの世界。家造りも、やっと本質が問われる時代になったんだと
密かに喜んでいます。