構造材の柱を3.5寸柱と4寸柱の
どちらを使うのがいいのか?
悩まれる方も多いかもしれません。
住宅メーカーなどのセールストークに
『うちはオール4寸柱です!だから地震にも強いんです!!』
とかいうものもありますね。
ホントに地震に強いのか???
難しいトコです。太い柱は安心感もありますしね。
地震に関して言えば、建築基準法から考えると太さは
3、5寸でも4寸でも、あまり変わりがありません。
木造住宅の構造設計は一般的に壁の多さを検討する
壁量計算を用いますが、この方法ですと全く差が出ないんですね。
東北の大地震でも3.5寸の柱が原因で、地震の水平力で
真ん中から折れて建物が倒壊した例は観測されていません。
倒壊に至る最も多い原因は、柱と横架材の 繋ぎ方が脆弱で、
「柱が土台から外れてしまった」とか
「柱から梁が浮いてしまった」等々で、構造物として
一体化して地震に抵抗出来なくなったことに起因します。
ほとんどが土台から柱が引き抜かれてしまうんです。
結論、柱の太さより、壁の多さを工夫して考えた方が家は
強くなります。それから、柱と梁部材(横架材)の緊結を
適正な金物で行い構造物として一体化し、
引き抜かれたり、外れたり、浮いてしまうことのないように
揺れるときは、一体して揺れるよう考える方がよいと思います。
それから壁のバランス。これも壁の数以上に大切です。
東西南北の外壁面に均等に壁が配置されている事が理想ですね。
窓は大きく、光を多く取り入れたい!と、どうしても考えてしまい
特に南面などは壁がなくなりがちです。壁の数だけ多くても
南面に1ヵ所も壁が無い!なんてことがないように
バランスよく設計することは、すごく大事です。
もう1つだけアドバイス。よく引き戸のほうが出っ張らず
使いやすいからすべて開き戸じゃなくて、引き戸にしてください
と、言われることがあります。そのことに間違いはありません。
但し構造上、引き込み部分の壁に問題が発生するケースが
あります。片引き戸が引き込まれる薄い壁は、構造計算上、
耐力壁とは考慮することができず、地震に抵抗するような力は
もっていないと考えられます。ようするに、弱い部分だと言うことです。
それを補えるだけのバランスが他にあればよいのですが、
なんでもかんでも、片引き戸にするというのは考えものです。
気をつけた方がいいです。
まとめますと、柱が太い・細いで、家の強さは決まらない。
壁の量とバランスがもっとも大切な要素で、
土台・柱・梁が一体化するような緊結が地震には
有効なんだ ということですね。