5月に竣工したとあるガラス張りの
とても瀟洒なたたずまいのビル。
中に入ると
鼻がツーンと刺激されてしまいます。
ケミカル臭なんですが、原因はなんだろうと
アチコチの壁や床の臭いをクンクンと調べてみると
どうやら真っ白な壁に塗られている塗料っぽい感じ。
この塗料、もちろん国の定める基準をクリアーした
F☆☆☆☆ 商品だと思います。でないと面積的にも
建築確認が下りないはずです。
壁を継ぎ目やジョイントを見せずに大きく真っ白な壁を
造るとき、こういった塗装壁が採用されます。
下地材の継ぎ目などが浮きでてこないように下地処理を
するのですが、それでもどれだけ頑張ってもクラックは
発生してしまいます。それに抗うために、塗料も
バインダー力が強いものを使い、いつまでもヒビ割れのない
キレイな真っ白い壁を維持しようと考えるのだと思います。
化学の力で、施工時の状態を長くKEEPすることができるように
なりました。ただそこには、その建物で生活される方々や
自然に対する畏敬の念を感じることはできません。
ようやく得ることのできた化学の力。
もう少し使い方を考えたいものです。
守るべきものが違うんじゃないかなぁ。