床材や壁・天井に無垢材を使用した際、
その仕上げは一般的に塗装をしたり
最近では蜜蝋や植物性塗油なんかを塗って
手あかや水をはじくように仕上げるパターンが
多いかと思います。
しかし、ワタシは無垢材の仕上げを相談されると
いつも、『無塗装という塗装』をオススメしています。
どんな木でも、その木がもつ自然の色合いがあり、
年月とともに、深まってゆきます。
どんなにナチュラルな塗料であっても、膜にかわりはないと
思いますので、やはり色の深まり方も違うし、水ははじくかも
しれませんが、皮膚呼吸を妨げる人間の顔に化粧しているのと
かわらないのではないかと思っています。
人間の顔に化粧をして、ずっとその化粧を落とすことなく
何日も過すとどうなるんでしょうか?ウチの奥さんが
仕事の忙しいとき、化粧も落とさず、朽ちるように
リビングで朝まで眠ってしまって、『化粧落とさんかったから
お肌ボロボロやぁ~』と泣き言を言っているのを聴いたことが
あります。化粧をしたことない男にはわからない感情ですが、
推測するに、皮膚に膜を付けるという行為は、肌にとって
負荷をかける行為であると知っているんでしょうね。
それでも化粧しないと外には出れない~!と言いきる哀しい性(+_+)
木も同じじゃないかと思っています。
なんだかんだいっても、素のままが1番じゃないか。
木は生きています。
素のままでさえいれば、時間が立って自然に皮膚も強くなる
んじゃないか。自らの力で、膜に匹敵する、力を身につけて
くれるんじゃないかと思えてなりません。
自然への畏敬の念をもって、命ある木と関わっていきたいと
思っています。これからも大切にしていきたいです。