今、リフォーム中の大阪の古民家は
和室がいっぱいあります。
というか、基本的にもともとは
和室しかなかった家ですね。
今ではほぼ、見なくなった和室の続間。
2間続きでも、見なくなったのに、
この古い大阪の家には田の字型に
4部屋の続間もあります。
現代の個室を基本とした家造りからすると、
壁がなく使いにくい・襖ばかりでプライベートが
確保できないし冬寒い・部屋が通路になってしまう。
また、構造的には、耐力壁が不足など
マイナス要素ばかりが目につきます。
じゃ、プラス要素はないのか?
そんなことはありませんよね。
神殿造りから始まって、現代に至るまでの
歴史のなかで、和の文化が育まれてきた
わけですから。
やはり、1番は夏を旨とした空間であること。
大きな開口をすべて開け放てば、風の通り道が
できます。その風の入り口に、中庭があります。
石を置いたり敷き込んだり、つくばいを置いて
手を洗ったり、打ち水ができるようになっています。
出口には、これまた裏庭があり、ここにも
つくばいが置かれています。
暑い夏に、庭や石に水を撒いて涼を作り
家の中と外に温度差・気圧の差を作り、
気流を生み出していたのだと思います。
自然の風がなくても、夏を涼しく過ごす
先人たちの智慧。
暑いっ!エアコンのボタンをポチッ!
という訳にはいかなかった時代ですからね(+_+)
このリフォームでつくばいを復活させてほしいと
言われています。楽しみです。
先に、改修工事の終わった2階和室。
今なお、足触りの柔らかいワラ床のタタミ。
こんなワラ床もすっかり手に入らなくなって
しまいました。