先日、ご紹介した和室改修の現場。
あと、建具を入れなおすと完成!という
ところまで、きました。
築古年、おそらく100年近いのでは?という
お家の1階和室、廊下を挟んで、裏庭があります。
漏水補修したおかげで、床に穴をあけてしまったため、
急遽、縁側の床も、樅材を増張りすることに。
全部、張りあがって、拭き掃除が終わり、
庭を眺めていると、お施主さんもきて、一緒に
何気なく庭を見つめていました。
緑がきれいなぁ~ やっぱり、本物がいいね!と
浸っていたとき、お施主さんがつぶやきました。
『そう言えば、こうして、庭を眺めるなんてことは
全然なかったわ~。』
庭を見て、どう?とかいう感情がなかったんでしょうね。
当たり前すぎて。
生まれた時からこの家で育ち、裏に庭があるのが、
当たり前。
とくに、手を入れている訳でもなく、
夏場は蚊対策が大変くらいで、
ここんとこ、いい思い出はない様子。
それが、2人して、しばし無言。庭を眺めていました。
縁側の床材と続きの和室が変わっただけですが、
新しい色・香り・質感が、今までと同じ景色なのに、
違った感覚を呼び覚ましてくれました。
この2人無言の時間の中で、ワタシが思うに、
お施主さんは、きっと・・・
『ウチの庭もイケてるやん』
『もっと大切にしておけばよかった』
そう感じてはったんじゃないかな。
いつもと同じ見慣れた風景は、知らず知らずにいつもと
同じ心を引き出してしまいます。
人生の節目・節目や、新たな人生を切り拓こうとするとき、
こういう変化、そして気付き・発見が大切なんじゃないかと
思いました。
建具が入ったら、また雰囲気が変わるやろうなぁ(*^^)v