吉田の“のうがき”

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人間の五感その1-嗅覚

2012.04.14 | 森から学ぶ家づくり | コメントなし »

人間の持っている本能である五感。
家を創るなかでは、どれも大事な感覚で、
五感が満たされた家に暮らすことが
幸せの第一歩ではないかと思います。

ワタシが五感について思うことを、書き綴ってみたいと思います。
まずは嗅覚から。

鼻の利く人とか、関西では、鼻つん と言って鼻が利かない人がいます。
鼻の粘膜は非常に敏感で、本来人間も素晴らしい獣の嗅覚を
持っていたのだと思います。するどい嗅覚は、脳に直結し、
いい匂いも嫌な匂いもどの感性よりも早く伝達されると
言われるくらいでしたが、文明の発達とともに失われ、
すっかり退化してしまったように思います。

それでも、いい匂いを嗅ぐと、思わず背伸びして気持ちいい~となり
嫌な匂いを嗅ぐと、思わず鼻をつまんで息を止めてしまいます。
血の流れが悪くなり、筋肉は硬直し、肩が凝ったりしますよね。
意外と自分の匂いってわからないもので、だいたいどのご家庭も
その家なりの匂いがあるものです。特に化学物質の匂いは
すぐにわかりますよね。ケミカル臭というやつ。
自然界のものではありませんから、基本的に人体にいいはずが
ありません。たとえ消臭剤であってもやっぱりケミカルです。
口を開けてファ○リーズを顔にめがけ掛ける勇気ありますか?

その点では、本当に自然なままに造られた家・素材は
やっぱり人に優しいです。遠い昔から人はその自然の
中で暮らしを育んできたからどこかでDNAが覚えて
いるんじゃないかな(笑)あ~懐かしい、いい香りだって。

家の中で、目を瞑って、鼻に神経を集中してみてください。
どんな匂いがしますか?
晴天の小春日和、すがすがしい森の中で大きく深呼吸した自分を
想ってみてください。どんな気分になりますか?
森林浴,もみのきの家

 

嗅覚が満たされる空間って、そんな自然界そのものなんだと思います。
木に似た石油化学製品や土壁のようなビニールクロスでは
本能は満たされないし、やっぱり不自然ではないでしょうか。

シックハウス症候群などの化学物質過敏症が大きくクローズUPされる現代。
24時間換気という、強制換気システムを法律で義務付け、悪い空気は
計画して排気しなさいと言います。なんか不自然ななぁ~。

この法律にも、例外規定があります。
それは、隙間相当面積(C値)が15cm/m2以上の隙間だらけの住宅か、
合板を用いていない真壁で、木製サッシを使った住宅、
天井高2.9m以上の居室で有効な換気装置を設けるなど。

ようは昔、よく田舎に見かけたような日本の古民家なら、シックハウスは
まず起こりうることはないということですね。
まさに現在病。だったら日本が今まで育んできた家造りに戻り
学べばいいだけですよね。科学の力に頼らなくても
歴史に学べば、人は幸せでいられるのだと、感じています。

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