新築されてもう少しで2年になろうと
しているビルがあります。
某有名な国立大学工学部建築学科の教授が
設計した、とってもオシャレな外観・スマートな
内装やライティング かっこいい建物なんですが
新築当時は、それはもう凄まじいケミカル臭でした(>_<)
私は特に化学物質過敏症ではありませんが、そういう
体質の方なら、速効で鼻血出して倒れてしまうのではないかと
思えるくらいひどかったんです。
その建物が、およそ2年近く経ち、どうなったか?
6階建てで、人の出入りが多い大きな講堂などは
だいぶマシにはなりましたが、小さい部屋で窓が開かない
部屋や、窓の無い物入れ・クロゼットなどの収納スペースは
化学物質は揮発せず、多少揮発しても空気が循環しないせいか
空気質はあまり改善されていないように思えます。
いったいいつになったらこんな状態を解消することが
できるのでしょうか?窓が開いて空気の入替をできない場合は
機械換気に頼るしかありません。それか、臭いの元をなくして
しまうか。築後2年でリフォームも現実的ではなく、
こんな臭いが気になるのも、100人いればそのうちの
3~5%程度、大方の人は、こんなもんじゃないの?と思って
多少は臭いを感じながらもスルーしている話。
世の中はこういう強者の論理がまだまだ多いです。
3%程度の弱者は切り捨てられがち。
でも本当に、心癒され愛着を感じてやまない空間って
やっぱり、弱者の視点で建っているんじゃないかと
思います。そこが愛念の違いですよね。
身体的弱者がOKなら強者ももちろんOKなわけで、
どちらを基準にするかによってその建物の性格、
建物のいのちが決まってしまうように思います。
すべては建てる人の意志に委ねられています。
建物・空間はどうあるべきか、
空気質はどうあるべきか、
建築屋・設計士は、どうあらんとするか?
目に見えない空気が、関わる人たちの
本質を教えてくれます。
目に見える豪華さや、お洒落さに惑わされることなく
目に見えない、本当に大切にすべきものを大事にする。
こんな生き方を目指したいと思います。
化学物質過敏症を発症した16歳の少女のドキュメンタリーです。
ぜひ見てほしい映像です。【Dear 地球様】