暮らしやすい家を建てる5つのポイント

Point1 『家を建てることが目的ではありません』

家を建てようと思ったら、まず雑誌やインターネットで調べたり、住宅展示場を見学したり、家を新築した知り合いに話を聞くなど、色々と情報収集をすると思います。
これってとても大事なことなんですが、やはり、人はそれぞれ意見も違うわけで、『どの工法がいいだとか、どの断熱工法の方が優れているだとか、このメーカーがいいだとか…』
あまりの情報の多さに、たいていの方が混乱してしまいます。
さらに行き過ぎると、情報に翻弄され、完璧な家づくりを目指そうと考えてしまい、家を建てることが最終目的になってしまいかねません。

家は建てたら終わりではなく、建ててからの新しい暮らしが本当の始まりです。

とは言え、内装や設備機器であれば、後からやり直しがききますが、家の構造はそう簡単には直せません。
しっかり計画しておかなければ、後で取り返しのつかないことになったり、後悔したりすることになります。
でも、そんな事を言われたって、最終的に構造だって建築業者だって何を基準にどれを選んだらいいか分からない!と言うのが現実ですよね。

そこで、自分達でトラブルなどのリスクを最小限に抑える方法を考えておく必要があります。
それには、シンプルに計画することです。

至って簡単に、凹凸が無い、総2階、四角い家・・・・・など。これなら、手間が減る分コストだって安くなるし、耐震性や耐久性・断熱性能には貢献してくれるはずです。
家にはメンテナンスが必要ですし、暮らす人も暮らし方も変化していきますので、最初から完璧でなくても、使いやすいように徐々に工夫していけばいいと思います。

迷ったときはシンプルに計画する。
後で出来ることは今やらない。
あとは、ここと決めたつくり手を信頼して、家づくりを楽しみましょう。

Point2 『空調機器だけに頼らない家づくり ~高気密・高断熱のひとつ前』

昔から日本の家は雨、露を防ぎ、夏を第一に考える家づくりが行なわれてきました。そのため、屋根と大黒柱は立派でも、壁は土や薄い板などでつくられており、高温多湿の暑さに対しては風通しでしのげても、冬の湿度が低く、風を伴う寒さに対しては無防備きわまりない造りでした。
その昔、空調機のない時代、蒸し暑い梅雨や真夏を考えればうなずけますよね。

現在ではエアコンなどの冷暖房機器が普及して、暑さ・寒さから開放されたいと、どうしてもエアコンを使ってしまいます。
しかし、本来、暑さ・寒さをしのぐのにエアコンが必要なのでしょうか?

実は、もう皆さん解っているとは思いますが、家自体が問題なのです。

確かに、日本列島は縦長で、北海道と沖縄では家の造りはまったく違います。
それに、日本特有の四季があり、おまけに高温多湿ですから、すべてを一緒に考えるのは、難しいかもしれません。
でもですね、昔は地方々々により、その気候を上手く住宅に取り入れていたのです。

建物の方位や軒の出、屋根の形状や質、開口部の位置や配置などエアコンなしでも暖かさや涼しさを得られる工夫をしていました。
朝夕は涼しくなる気候、そして、窓や戸を開けると風が入り通風ができるという家の習慣があったのです。
断熱・遮熱も重要です。欠かすことはできませんが、その1つ前にずっと長い間培ってきた日本の家づくりを振り返り、家の配置や形・屋根の仕様・風の通り道や間取りなどを熟慮することはもっと大切なことじゃないでしょうか。

Point3 『熱をコントロールする家づくり ~開口部の配慮』

暮らしていく上で、家の"熱"をコントロールすることは、非常に重要なことです。
暑い家、寒い家の問題の大部分が、窓や玄関などの開口部に起因します。
見た目のかっこよさや視界の良い大きな開口だけを気にして窓を選ぶと、夏に太陽の熱が直接注ぎ込んだり、冬に窓辺が寒くて結露だらけになったりしてしまいます。

逆に、開口だけでなく断熱性能や遮熱ガラスなどの性能にも気を使い、熱効率をしっかりと考えると、夏涼しく冬にも暖かい、とても快適に暮らせる家ができます。
庇(ひさし)や軒(のき)の出などでも、随分熱効率が変わります。

窓開口の配置と性能によって、採光・断熱遮熱・颯爽とした風の流れなど、その家の暮らしやすさの根幹に関わる部分が大きく左右されますので、配置図や間取りまでしっかり検討してください。

Point4 『毎日の生活を楽しく 好き嫌いにもこだわる』

家は暮らしそのものです。
自分の暮らしのスタイルにこだわり、好きな洋服を選ぶ以上に妥協しないで好き嫌いを主張するのがいいでしょう。
外観は周辺地域との関わりもありますので、突出するのはいかがなものかと思いますが、基本的には、自分たち家族のためだけにあって、自分たちだけが満足できる家であればいいのではないでしょうか。

そして、お母さんが毎日かなりの時間を費やすキッチンは家の中で一番魅力的で大切な場所であってほしいと思います。
なぜなら、はるか遠い昔から、人は火に集まる時に団らんを始めました。そこから、家族の絆が生まれます。人間も動物なんですね。

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