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AD材

2013.09.19 | Y社長のひとり言 | コメントなし »

今、奈良で新築させていただいている家の
柱は、AD材と呼ばれる構造材です。

軽くお勉強。

柱、梁などの木造の構造材は、その乾燥方法によって、
下記の通り、大きく3種類に分類されます。

①KD材(Kiln Dry Wood)と呼ばれる人工乾燥材で、温度や湿度、
風量等を制御できる釜に入れて短期間で乾燥させる方法

②AD材(エアドライ材)と呼ばれる天然乾燥材で、文字通り
自然に乾燥させる方法

③グリーン材と呼ばれる、天然乾燥過程がまだ十分でない木材

現在では、①のKD材が主流となっています。
AD材(天然乾燥材)は、原木から製材されて、どんなに短くとも
半年から一年の乾燥期間が必要ですが、KD材(人工乾燥材)の場合、
2週間から一ヶ月程度 で済みます。また、KD材は、含水率を
AD材(天然乾燥材)以上に下げることが可能なので、木材の狂いや
暴れを極力減らすことが出来ます。木材の狂いがほ とんど無くなる
状態になることで、建築構造上、不具合が短期的には無くなり、
仕上のクロスのひび割れ、建具の建付けが悪くなるなどのクレームを
減らすこと に繋がります。それから、構造材のプレカットの普及に
よって、より狂いの少ないKD材が好まれるということも背景にあります。

こんな風に書けば、KD材は良い!となりがちですがやはり欠点もあります。
それは、人工乾燥の釜に入れることで、含水率を下げることが可能なんですが
本来、木の持つ脂身まで失うことになり、木材の内部の割れが生じるなど、
それなりに問題 を抱えてします。木の持つ脂身を失うということは、
木の大きな特徴である「粘り」が無くなり、耐久性そのものが失われてしまいます。
30年やそこらの耐久性はあると思いますが、50~100年といった耐久性を
望むことは難しいのではないでしょうか。

それに対して、AD材(天然乾燥材)は、KD材より狂いやすい材料ではありますが、
木の脂身を失わないことで、木の性質が持つ「粘り」を保ち、内部割れのような
構造的欠陥は生じません。
グリーン材についても同様です。伐採直後の水の滴るような状態の材木は論外ですが、
ある程度の含水率まで下がっている状態であれば、AD材同様、長い期間の耐久力を
望むことができます。KD材とグリーン材を曲げ・圧縮・せん断試験などをすれば
強度は、断然グリーン材の方が上なんですね。

木材の細胞は50度以上に加熱されると、組織は死んでしまいます。
死んだ木材細胞は、吸湿能力もほどんとなく、木の香りも艶もなくなり、
強度も弱まります。人間でいう、脳死、もしくは仮死状態。

ある大学のエラい教授の言葉。

『人工乾燥の木材は細胞が老化した老人の肌のようなもの。
バサバサしていて艶もないし張りもない。呼吸しない。
それに対して自然乾燥の木材は若者の肌のようなもの。
収縮や膨張などの悪さもするが艶やかで張りもあるし呼吸する。
それに、これから壮年期にかけて更に強くなる。
だから何百年もの間家屋を支えることができた。
KD材は、強制乾燥をかけた直後から劣化が始まる。
しかしそれでも、30年程度は問題なく家屋の建材として
使用に耐えることはできる。
今の日本の住宅は大抵30年位で寿命が来るから、
それだけ持てばよいというのなら、KD材でも問題ない。
ただし、かつての日本の民家のように、建て替えの際に
木材を再利用することは絶対にできない。
劣化した抜け殻のようなものだから。』

木材の本当のチカラ、自然への畏敬の念・想い、

自然のままのありがたさをもっと知って欲しい。

自然のままのチカラを、ありのままに受け止めて

家造りに活かしてゆきたいと思います。

桧AD材

 

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