吉田の“のうがき”

HOME » 吉田の“のうがき” » 森から学ぶ家づくり » 

健全な森林は土砂災害から守ってくれる

2011.06.30 | 森から学ぶ家づくり | コメントなし »

健全な森には、洪水や土砂崩れなどを防ぐ大事な機能も備わっています。

健全な森林の地表面には下草が密生し、落葉・落枝に覆われていて、強い雨滴が直接土壌にあたらず、侵食されにくくなっていて、さらに、樹木の根が土壌中に張り巡らされており、降雨により土壌が緩んでも土砂崩れが非常に起きにくくなっています。

一般的な天然更新の森では、地中深くまで根を伸ばすタイプ(深根性樹木)の木が土中深くに、杭を打つように発達し、土層のずれを防ぎ、広く浅く根を張るタイプ(浅根性樹木)の木が、土壌中に網を張るように広がって土壌を縛り、土壌の亀裂を防いでいます。

こういった針葉樹や広葉樹などさまざまな樹木の混交林のほうが、組み合わせで拘束力が高まり、より強い土壌を形成するのです。

ですから近年は、山の木を全部一度に伐採する『皆伐-カイバツ-』をしたあと、同じような針葉樹ばかりを植林する、単層林方式から改めて、区画内で何割かの木をあらかじめ選び、それを間引くように伐採する『択伐-タクバツ-』を行い、伐採せずに残した樹木はさらに大きく育て、伐採跡にケヤキやクリなどの広葉樹を植林したりする『複層林』に変わろうとしています。

さらに、伐採後に植林せず、林床に落ちた種子から自然に発芽した木を育てる『天然更新』という方法もあります。こうしてできた森林を【針広混交林】と呼んでいます。

この天然更新は、世界中に昔からある森林本来の生態系であり、人の手を使わない、自然の法則に従った本当の森の姿です。
こういう原生林は、日本にはもう国土の数パーセントしか残されていません。
燃料資源の確保や宅地開発・そのために起こる野生動物による食害などの影響で今も減り続けています。
林業先進国の北欧の国々では、国策として森林保護に積極的に取り組んでいますが、日本は随分立ち遅れているように思います。

土砂崩れに土石流など、山の災害が増えているのは、森の生態系を守れていない、山のチカラが衰えていることを理解しなければいけません。それがどれだけ私たちの暮らしに影響を与えるのかよく考えないと。もう一刻の猶予もないのです。

コメント

CAPTCHA


インターネットからのお問い合わせ

〒550-0027 大阪市西区九条3-22-1 株式会社フォレスト・ハウス 健康住宅/自然素材・無垢材の家づくり

お電話でのお問い合わせはこちらから
TEL.06-6581-1212 FAX.06-6584-1519

標準 特大