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森の空気は本当にすがすがしくおいしい。森の中を歩いていると思わず胸いっぱいに深呼吸してみたくなる。そんな気持ちになった人も多いのではないでしょうか。
森の空気がおいしい秘密。それは都会につきものの排気ガスやホコリが深遠な森の中ではまったく無縁なのと、木が放出するにおいのためで、樹木が発散するフィトンチッドが理由であることが最近よく言われています。
フィトンチッドというのは、発揮性物質の総称のことで、植物は動いて外敵から逃げることができないので、これを追い払う作用を持つ物質を自らつくり出し分泌しています。
これがフィトンチッドです。樹種によって多種多様で独特なフィトンチッドを発散しています。
森の中に入ると気分がリフレッシュされる理由の1つに、木や草・野菜などから放出される『テルペン』という植物成分の働きがあります。微量の木の香りで、人体に薬として作用し、交感神経系の興奮を抑えて副交感神経系を活性化させ、気分を安らいだ状態にする働きがあります。
フィトンチッドのおもな目的
1、忌避物質・・・・・・樹木に害を及ぼす虫などを追い払う
2、摂食阻害物質・・・・虫などに葉や幹を食べられないようにする
3、抗菌・抗カビ物質・・カビや細菌を寄せ付けない
4、植物成長抑制物質・・別の植物が周りにはびこらないようにする
このような成分は、木材として製材され、家造りに使われても変わることはなく発揮されて私たちを心地よい気分にさせてくれます。
また樹種によっては、抗菌性がとても強くシロアリなども寄せ付けないフィトンチッドを発揮する木もあります。
このように木の家造りはそれだけで簡単に森林浴効果が得ることができ、森林が少ない都市に住む人にとっては、疲れた体をリフレッシュできる手軽な*自然療法と言えるのではないでしょうか。
* 自然療法とは?
健康づくりには『水浴』『日光浴』『大気浴』の三つの浴がある。
お風呂に入る入浴や海水浴が水浴、日光に当たるのが日光浴、そして山や森林の空気に触れる森林浴が大気浴である。これらの三浴は、水や日光や空気の刺激によってストレスなどで疲れた体を正常な状態に戻し、活力を与える自然療法である。
特に森林浴は薬漬けに慣れてしまった現代人にとっては、心身ともに解放された、このうえない自然療法と言えるのではないでしょうか。