フォレスト・ハウスでは、内装の材料として“もみの木”の無垢材を採用しております。それには、とっても大事な理由がありますので、ご説明させていただきます。
もみの木は、マツ科の常緑針葉樹で、カナダ産の北米材などは明治時代から日本の市場に輸入されており、耐久性、寸度の安定性、仕上りの美しさなどに優れていて、ピアノの響板やヴァイオリンにも使われている木材です。
何よりも、クリスマスツリーとして広く知られているので、誰でも一度は見たことがあるのではないでしょうか?
私たちは遠く離れたドイツから運ばれてきたもみの木を、内装材として使用しています。それにはとっても重要な理由とこだわりがあるんです。
接ぎ木や挿し木ではなく、種から自然に発芽し、根を地面にしっかりとはり、育ってきた木のことを「実生の木」と言います。
実生の木には、多くの災害に耐えながら地中にまっすぐ深く伸ばし続けてきた"たくましい根"があります。干ばつや強風などにもびくともしないのは、この根が地中でしっかりと支え、水分を十分に吸収しているからなのです。
実生の木は根を真っ直ぐ下に伸ばす性質をもっています。掘り返しても、横にひろがる細かい根というものが出てこないそうです。
種が生き延びるため、光を求めて空に向かって高く伸びる幹を支えるために、水を求めて根をしっかりと真っ直ぐ下へ下へ伸ばします。
一般に言われている樹齢1000年というような木は、全て実生の木で、すごい生命力を持っているんですね。
そんな真っ直ぐに成長した実生の木は、伐採され建材化されても、その性質は変わることなく素直で扱いやすく、歪みやねじれなどが起こりにくい、とても素晴らしい素材なんです。
もみの木は、高温多湿・寒暖の差が大きい日本の暮らしの中にはうってつけの木材なんです。
フォレスト・ハウスで内装材に使用しているもみ材は、ドイツの自然公園(シュバルツバルト=黒い森)から送られてきます。
この森は、すべて自然生態系のまま育った針葉樹と広葉樹の混交林で、世界でも最も優れたドイツの森林学に基づき、約300年以上に渡って森林保護のために計画的に天然更新(択抜)されている森林であり、それはまさに自然と人類の共生の理想の姿です。
森にあるもみの木は、自然災害時には、倒木などで森を傷つけてしまいます。そのため、倒木の可能性がある150~500年生のもみの木は森林保護のため選木され伐採されます。
また、巨木になればなるほど、ほとんど二酸化炭素を吸着しなくなり、やがては朽ちてしまいます。朽ちた樹木は、微生物によって分解され、空気中の二酸化炭素に戻ります。
しかし、若い実生の木は、巨木の何倍もの二酸化炭素を吸着して固定化し、大きく成長していきます。
そこで、古い巨木を伐採し、若い木に更新することによって、森はさらに活性化していき、我々現代社会がまき散らしているCO2を吸着し固定化してくれます。
そうして伐採されたもみの木を建物や家具として大事に使うことで、末長く炭素として固定させて、CO2を増加させない【炭素循環】を成立させれば、地球温暖化の抑制につながります。